ブログ休止のお知らせ
こんにちは、院長の藤井です
気がつけばブログ最終更新から3年半も経ってしまいました。
大変申し訳ありません。
おかげさまで来院される患者さんが増え、それに伴いスタッフも増え、やることがかなり増え、ブログ更新まで手が回らない状況が続いています。
もちろん日々進歩していく医療知識・技術を吸収しなくてはみなさんの期待に応えられないので、学会および勉強会の参加や、各種専門雑誌の購読は続けています。
しかしながらその情報を的確にかつわかりやすくブログに書こうとするとかなり時間を取られてしまいます。
来院される患者さんが増えた今、医師としてだけではなく院長=経営者としてクリニックをより良くしていくためにはいろいろとやらなくてはならないことが増えてきてしまいました。
また、父としてこどもと遊べるのは今しかありませんので、休日は家族とできるだけ過ごしたいです。
ということで今更ながらですがしばらくブログを休止いたします。
自分やスタッフの近況を軽く書くだけなら続けられたのですが、「患者さんにとって有益な情報をわかりやすく伝える」というコンセプトは維持したいので、やむなく休止するという結論に至りました。
その分、診察時に「的確な診断とわかりやすい説明」でみなさんの期待に応えていきたいと思います。
将来、優秀な医師をもう1人採用することができれば再開したいと思います。
それでは今後とも豊橋南藤井眼科クリニックをよろしくお願いします。
ヒアルロン酸によるシワ取りで失明!?
こんにちは、院長の藤井です。
12月も下旬を迎えもう年末ムードになってきましたね。
「師走」というだけあって当院もいそがしい日々です。
体調には気をつけていきたいですね。
さて、今回は日本の眼科2013年7月号に、「美容的皮膚充填剤注射による医原性網膜動脈閉塞」という海外の文献が紹介されていましたので御紹介いたします。
ところで皆さんは「ヒアルロン酸によるシワ取り注射」は御存知でしょうか?
女性の方なら広告などで一度は目にしたこともあるかもしれませんね。
体になじみやすいヒアルロン酸をしわが目立つところに注射することで、ハリを取り戻す、という美容外科的治療です。
もともと体内にある物質なので粗悪品を使用しなければ比較的安全と言われています。
さらに即効性もあるため人気の治療法です。
ヒアルロン酸の他にもコラーゲンや自家脂肪(自己のあまった脂肪を取りだして使用)があります。
さて、そんな安易な治療に警鐘をならすのが今回の論文です。
「美容的皮膚充填剤」とは前述のヒアルロン酸などのことです。
それを顔(眉間やほうれい線部分)のシワ取りに使用したところ、網膜動脈(目の血管です)に誤って注入されてしまい、血管がつまって失明してしまったという論文です。
海外の文献ではありますが、12人を数える報告で、そのうち半数が20代の若い女性でした。
「誤って」と書いてありますが、血管は皮膚からは見ることができず、その走行は人それぞれ少しずつ異なるので、完全に避けることは困難です。
もちろん非常にまれなことではありますが、プチ整形がもてはやしている現代、「プチ」だからといって絶対安全、ということではないことを皆さんには知っていただきたいです。
気軽な気持ちで受けた治療で、失明してしまったら悔やんでも悔やみきれないでしょう。
今後も様々な情報を発信していきたいと思います。
それでは今後とも豊橋南藤井眼科クリニックをよろしくお願いします。
豊橋市の眼科クリニック
豊橋南藤井眼科クリニック
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開院2周年です!
こんにちは、院長の藤井です。
平成25年11月9日に開院2周年を迎えました。
おかげさまで患者さんの数も昨年に比べて増えまして、これも地域の皆様の御支持によるものと感謝しております。
ただ、その反面お待ちいただく時間も長くなることが多々ありました。
冬場はあまり混雑するときはありませんが、3月は花粉症、5月6月は学校検診後の児童の受診、など季節の要因でかなり混雑になったりします。
そういった情報も統計をとって皆様に提供できたらいいな、と思っています。
できるだけ快適に待ち時間を過ごせるようにしていきますので今後ともよろしくお願いします。
さて、毎月のように眼科専門雑誌をいくつか購読していますが、今回は特集号「眼科 診療指針のパラダイムシフト」でした。
「パラダイム」とは「既存の規範、前提」、「シフト」は「転換、変化」です。
つまり「パラダイムシフト」とはこれまでの診療方針が大きく転換したということです。
眼は光学と密接な関連があり、科学技術が進歩すると光学機器も進歩し、ひいては眼科医療の診断機器の性能も非常に高くなります。
それによって今まで未知であった病態が明らかになったり、困難であった診断が容易になったりしてきています。
今回の特集ではいろいろな事項が紹介されていますが、短期間の間に非常に大きな変化が起きています。
ざっとあげてみると、ドライアイの病態と治療、DSEAK(角膜内皮移植)、緑内障インプラント手術、フェムトセカンドレーザーによるLASIKおよび関連するSMILE、オルソケラトロジー、多焦点眼内レンズ、カメラインレー、有水晶体眼内レンズなどなど。
どれも私が研修医であった約10年前には教科書にもほとんど紹介されていなかったものばかりです。
技術の進歩には目を見張るものがあります。
残念ながらこういった技術は、機器が非常に高価であったり、保険に適用されていなかったりとまだまだ一般的でないものも多くあります。
しかしながら、日々こういったことに目を通し、常に最新の医学に触れていくことで、地域の皆様の信頼に応えていきたいと思っています。
今後とも豊橋南藤井眼科クリニックをよろしくお願いします。
豊橋市の眼科クリニック
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コンタクト保存ケース洗ってますか?
こんにちは、院長の藤井です。
今回は雑誌「臨床眼科」2013年4月号に「コンタクトレンズ装用を発症誘因とする感染性角膜潰瘍の検討」が載っていましたので、コンタクトレンズを使用している方への注意点を説明いたします。
コンタクトレンズを使っている方はたくさんいらっしゃると思います。
今の主流は使い捨てソフトコンタクトレンズです。
1日使い捨て、2週間使い捨て、1ヶ月使い捨てと様々なタイプが市販されています。
利便性および衛生的にも1日使い捨てがもっとも優れていますが、特に毎日使用される方は、費用がかかってしまうため、2週間や1ヶ月使い捨てにしている方が多いと思います。
そうするとコンタクトレンズのケアが必要になってきます。
このお手入れがちゃんとできていないと、細菌などの微生物が繁殖し、角膜炎や角膜潰瘍を発症してしまいます。
今回の論文は感染性角膜潰瘍の患者さんからの調査ですが、やはり78%の方がレンズ管理が不適切でした。
(使用期限を守らない、レンズをお手入れしない、など)
なかでも興味深いのが、46%の方の保存ケースから緑膿菌という細菌が検出されたという点です。
コンタクトレンズをキレイにお手入れしていても、保存ケースが汚染されているという場合も多いんですね。
これは意外と盲点です。
一度感染性角膜潰瘍になると、たとえ治ったとしても視力障害の後遺症を残す場合も多いです。
コンタクトレンズはもちろんですが、レンズケースも毎日きちんと洗って乾燥させての使用を心がけて下さいね。
それでは今後とも豊橋南藤井眼科クリニックをよろしくお願いします。
豊橋市の眼科クリニック
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ブルーライト問題 その②>
こんにちは、院長の藤井です。
今回は前回の続き、ブルーライト問題です。
前回はブルーライトは有害である可能性が高いことを説明しました。
しかし、「ブルーライトには有害な一面もある」といったほうが正しいです。
なぜかというとブルーライトはわたしたちの体内時計にも関わっている可能性が高いのです。
ちょうどこの点について「眼科 2013年7月号」に詳しく記載がありました。
つい最近までわたしたちの目が光を感じ取る細胞は2種類(錐体と杆体)だけと考えられていました。
ところが約10年前にメラノプシン含有網膜神経節細胞という細胞が見つかり、これが光を感じ取る、という大きな発見がありました。
この新たにみつかった細胞はある種の光の波長を感じ取り、体内時計に関係するメラトニンという睡眠ホルモンの産生を抑制することもわかってきました。
そしてその波長がブルーライトだったのです。
つまり日中にブルーライト(もちろん日光に含まれます)を浴びることで、睡眠ホルモンが出なくなり活動的になり、太陽が沈んで夜になると睡眠ホルモンが産生されるようになり眠くなる、こうして1日のリズムが作られます。
そうすると日中にブルーライトをカットしすぎるとこの体内時計が狂ってしまいます。
実際に、ずっと室内ですごして光を浴びないと昼夜逆転しやすくなったりします。
また高齢者で不眠が多いのも、加齢により白内障になると目にブルーライトが入りづらくなり、体内時計が狂うため、ということも一連の研究から示唆されてきています。
このことからはブルーライトは多すぎても少なすぎてもダメということになります。
たとえば紫外線も浴びすぎると有害ですが、少し浴びることは皮膚の殺菌にもなります。
(実際に尋常性乾癬などの病気では紫外線が治療として用いられています)
つまりどんなものも適量があるのです。
最終的な結論としては、現状ではブルーライトにあまり過敏にならずに、昼はブルーライトをしっかり浴び(パソコン作業で疲れ目がひどい方はある程度カット)、夜はできるだけブルーライトはカットという生活が理にかなっているといえます。
夜に長時間すごすリビングや寝室の照明はLEDではなく、蛍光灯や白熱灯のほうがぐっすり眠るためにはいいかもしれませんね。
今年は第1回国際ブルーライト学会が東京で開かれました。
今後もこの分野の研究は増えていくと思いますので、興味深いお話があればまた紹介したいと思います。
それではこれからも豊橋南藤井眼科クリニックをよろしくお願いします。
ブルーライト問題 その①
こんにちは、院長の藤井です。
今回は、前回"このブログの背景が黒い理由について"の中で少しふれたブルーライトの問題についてお話したいと思います。
最近「ブルーライト」という言葉をよく聞きます。
パソコンの眼の疲れはブルーライトが原因であるとか、黄斑変性という失明にも至ることのある病気が発症しやすくなる、などなど多くはネガティブなものとして報道されています。
そのためメガネ業界では、ブルーライトカットメガネが発売され、大々的に広告されるようになり、現在ここまで「ブルーライト」が有名になりました。
「ブルーライト」は本当に有害なのでしょうか?
積極的にカットしたほうがいいのでしょうか?
この問題を考える前に、まずブルーライトとはどんなものか御説明します。
わたしたちが見える「光」は「可視光線」と呼ばれます。
普段はあまりわからないですが、虹が7色に見えることからわかるように、その「光」にはいろいろな色が含まれています。
そのなかで、ブルーライトとは可視光線の中で、380nm〜495nm(ナノメートル)の青色光のことです。
このブルーライトは可視光線の中で、紫外線に最も近いものです。
有害である紫外線は角膜(黒目)や水晶体で吸収されますが、ブルーライトは紫外線に近くエネルギーが高いのにもかかわらず、これらに吸収されずに、目の奥の網膜まで到達してしまいます。
そしてこのブルーライトは、近年省エネのために普及してきているLED(光発光ダイオード)の光に、多く含まれています。
そのためブルーライトを浴びすぎる(見すぎる)と目に何らかの影響が出るのではないかと、研究されるようになりました。
で、ブルーライトは本当に悪いのか?
結論から言うと、理論的には有害な可能性が高いです。
①紫外線に近いという特性
紫外線の目に対する悪影響はいろいろな研究から明らかです。紫外線に最も近い性質のブルーライトに長時間接した場合、網膜に変性が起き、黄斑変性などの発症につながる可能性が考えられます。
②青色波長の屈折特性
ブルーライトが強いと、ピントにズレが生じやすく、その結果、画像のチラつき、まぶしさといった現象が生じ ます。それにより、目の疲れや頭痛などの症状に発展する可能性が考えられています。
ということはできるだけメガネをしてブルーライトをカットしたほうがいいのでしょうか?
上記はあくまで理論的な話であって、どれだけ(何時間)ブルーライトを浴びると悪いのかはまだ研究途上です。
それでも有害だったら少しでもカットしたほうがいいんじゃないの?という方もいるかもしれません。
ところがそれだけではないのがフルーライト問題です。
次回に続きます!
ブログの背景が黒い理由
こんにちは、院長の藤井です。
今回何人かの読者さんからこのブログの背景って何で真っ黒なの?という質問を受けたので、御説明したいと思います。
まあ説明といっても単純です。
「見やすいから」
です。
な〜んだ、と言わないで下さいね(^^;)
やはり眼科のブログですから、視力が悪い人にもみやすいように、というのを第一に考えています。
そのため文字もやや大きめにしています。
見やすさという意味では白背景に黒字でもいいのですが、白の部分が多いと、白内障や網膜色素変性症の方はまぶしく感じてしまう場合もあります。
そんなわけで黒背景に白文字にしています。
(濃紺背景に黄文字もいいんですが、ブログの設定にありませんでした)
あと、とある方からブルーライトに配慮したんじゃないの?という御指摘を受けました。
たしかに疲れにくいという意味ではそういう利点もあるかもしれません。
ただ、ブログを見る程度の短時間でブルーライトの影響あるかどうかは疑問なところです。
そこで次回はこのブルーライトの問題についてお話ししたいと思います!
豊橋市の眼科クリニック
豊橋南藤井眼科クリニック
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