すべての人の顔が同じに見える?

こんにちは、院長の藤井です。


今回はophthalmology update 2012年総集編という小雑誌から、


「すべての人の顔が同じに見える症例」


という報告について紹介いたします。



すべての人の顔が同じに見える、というと幻覚みたいに精神病か何か??と思ってしまいますが、今回は生来視力も健康も良好だった人に生じたエピソードです。


58歳の女性の方が、ある朝ある人と話をした後に、飛行機に乗ったのですが、座席に座って待っていると、あとから乗ってくる人のすべての顔が、その朝話した人の顔にみえてしまう状態になってしまったのです!


慌てて近くの眼科に行っても、目には異常はないと言われてしまいました。


さてさてこの方の身に何が起こってしまったのでしょうか??



結論から言うと、脳の後頭葉と言う部分の出血、そう、脳出血だったのです!


脳外科に緊急入院になったそうです。


今回の症状は「視覚保持」という症状です。


これは、一度見たものが繰り返し出現、または持続してみえる症状のことをいいます。


脳出血の他にもいわゆる精神病などでもみられます。


脳出血脳梗塞などの大脳病変では視野欠損(部分的に見えなくなること)が有名ですが、このように「間違った視覚像」がみえる場合もまれにあるんですね。



今回のケースでは眼科では異常をみつけることはできませんでしたが、視野検査をすれば脳病変にきづくことができ、速やかに脳外科へ紹介することができたかもしれません。


非常に勉強になった報告でした。


これからも幅広い知識を身につけていきたいと思います。


今後とも「豊橋南藤井眼科クリニック」をよろしくお願いします。




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