オルソケラトロジーと近視進行予防

こんにちは、院長の藤井です。


オルソケラトロジー」って御存知ですか?


「ナイトコンタクト」と言う場合もあります。


これは寝ている間に特殊なコンタクトレンズを装用することで、日中に視力を回復することができるという近視治療方法です。


レーシック手術ができないような小児や、手術が怖いという大人の方に適します。



ただ、下記の様なデメリットがあり、あまり普及していません。


・軽い近視にしか対応できないこと

・コンタクトをしないとまたすぐに元の近視にもどってしまうこと

コンタクトレンズという「異物」を目に入れたまま寝ることから、感染症という合併症の危険性が常にあること



しかし、中国をはじめとしたアジアでは、学童の近視進行予防効果があるかもしれないという期待のもと、小児の方に積極的に行われています。


そして、今回我が国から以下のような論文が出されました。



オルソケラトロジーの長期(5年)継続が学童期の眼軸長に及ぼす影響」
http://www.iovs.org/content/53/7/3913.short



オルソケラトロジーの29人と、通常どおりメガネで対応した30人を5年間に渡り比較した論文ですが、これによると近視進行を抑制できたと結論づけられています。


進行を完全に抑制できたわけではなくある程度は進んでしまっていること、および症例数が少ないことなどの問題点はありますが、5年という長期にわたって統計をとれたことは評価できると思います。


これまでは短期間のデータをもとにした論文しか出ていなかったこと、および感染症を発症すると視力低下の後遺症を残す可能性があることから、当院ではオルソケラトロジーに対して慎重な姿勢でしたが、今回のような論文が蓄積され、近視進行予防が明らかになってくれば、導入の検討も考えたいと思っています。


なお、現状では日本眼科学会のガイドラインにおいて、オルソケラトロジーの対象は20歳以上となっているため、小児の使用に対しては自己責任となります。御注意下さい。




早いもので前回のブログ更新から2週間たってしましたした。

年末は何かと忙しくあっという間にすぎていきますね。

しかし今年の締めくくりとして、いろいろなことをカイゼンし、来年さらによりよいクリニックにしていきます。

また、あらゆる情報を収集し、今後も様々知見を取り入れていきたいと思います。

よろしくお願いします。



豊橋市の眼科クリニック
豊橋南藤井眼科クリニック
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