円錐角膜の最新の治療方法
こんにちは、院長の藤井です。
今回は日本眼科手術学会会誌「眼科手術」最新号から、円錐角膜の最新の治療方法について御紹介します。
「円錐角膜」とは、特殊な乱視の病気です。
みなさんの中にも乱視の方はいらっしゃると思いますが、近視と異なり乱視は基本的にあまり進行しません。
ところがこの円錐角膜という病気は、角膜(黒目の部分です)が前方に突出し薄くなり、乱視がどんどん進んでしまうのです。
30代くらいになると進行が停止しますが、停止するまでの間に乱視が強くなりすぎてメガネやコンタクトでも矯正できなくなって視力が低下してしまったり、場合によっては角膜移植が必要になるほど見えなくなる方もいます。
さて、そこで最新の治療法ですが、
①クロスリンキング
これは、角膜にビタミンB2の特殊な溶液を浸けてそこに紫外線を照射することで、角膜に化学反応を生じさせて、剛性を上げる(=角膜が歪まないように硬くする)方法です。
②角膜内リング
これは、角膜内に特殊なリングを挿入することで、角膜が歪まないようにする方法です。
これまではリングをいれる穴を作るのが難しかったですが、フェムトセカンドレーザーという最新のレーザーを使用することで、比較的容易に手術を行うことができるようになりました。
どちらも、視力が大幅に低下する前に施行が可能で、角膜移植に比べてもはるかにダメージが少ない方法です。
特にクロスリンキングは、最新の報告で円錐角膜の進行を抑制することがほぼ確実のようで、かつダメージも少ないため、初期の円錐角膜に対するよい治療法になるのでは、と思います。
これまでは初期の治療といえばハードコンタクトレンズしかなく、痛みでコンタクトが装用できない患者さんは、何もできず進行が停止するのを見守るしかなかったですから。
ただ、現在どちらも保険適応がないため、施行できる施設が限られてしまうのが非常に残念です…(当院では名古屋の専門施設へ紹介させていただいております)。
若い方で乱視がよく進むなあ、メガネがあわなくなるのが早いなあ、という方は、円錐角膜の可能性がありますので、早めに眼科に受診してくださいね。
豊橋市の眼科クリニック
豊橋南藤井眼科クリニック
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