思い込みのワナ
こんにちは、院長の藤井です。
まだまだ寒い日は続きますが、そろそろ2月も終わりに近づき、季節は春、3月を迎えようとしています。
さて、当院では冬季にイルミネーションを設置しています。
おかげ様で東愛知新聞にも記事として掲載されました。
http://www.f-eye.jp/img082.jpg
豊橋市南部は農業地帯ということもあり、クリニックは豊橋鉄道渥美線「向ヶ丘」駅の目の前であるのにもかかわらず周囲には繁華街などもなく、日が沈むとあたりは真っ暗になってしまいます(もちろん街灯はありますよ)。
ですので、イルミネーションを設置することで周りが明るくなるし、やすらぎや癒しにもなるのではないかと思い始めました。
企画や設置もスタッフで行い、業務の合間をぬって、ようやく完成しました。
その甲斐あって、評判もよく、嬉しく思っていました。
ところがつい先日、スタッフから「あまり快く思ってない患者さんがいる」との報告を受けました。
クレームというほどではなく、軽く言葉を漏らしたような感じであったため、スタッフもそれ以上「なぜですか?」など質問することはなく終わったようなのですが、私にとってはいろいろ考えさせられる出来事でした。
イルミネーションは皆様御存知のとおり、冬季になると各地で設置され、街を華やかに彩ってくれます。
大規模なところでは「神戸ルミナリエ」や「なばなの里」が有名ですよね。
テレビなどでも好意的に報道することはあっても批判が聞かれることはまずありません。
もちろん自分でもキレイだなと思うばかりで、「イルミネーション=いいこと」と思い込んでいました。
なので「イルミネーションを快く思わない」と言われたことは衝撃でした。
冷静になって考えてみると、イルミネーションを敬遠するいろいろ理由は思い浮かびます。
落ち着いた周辺環境に合わない、不良のたまり場になる、目がチカチカするなどなど…。
確かに目のチカチカに関してはとある患者さんから、青いライトや点滅する光はみにくく感じてしまうという指摘を受けました。
(来年は電球色を中心にする予定です)
でも「快く思わない」とおっしゃられる方がいるとは思いもよりませんでした。
ただ、下記の様に配慮してはいます。
・当院周囲は住宅密集地ではなく駅前であるため、イルミネーション設置してもそれほど迷惑はかからないと思われること。
・それでも明るくて困るという方のため、および不良集団のたまり場にならないようにするために、点灯は午後8時まで(クリニックが休診の日曜日はお休み)としていること。
ですので多くの方からはご好評をいただいておりますし、クリニックを訪れる方だけではなく、周辺地域の方へのやすらぎになり、ひいては地域の活性化につながるとの思いで行っていますので、来年も継続するつもりです。
できれば「快く思わない」という方にも「なぜイルミネーションをやるのか」という点をちゃんと説明し、御理解を得たいところです。
その上で改善するべき点は改善していきたいと思います。
おしつけにならないように…。
ふと考えてみると、「治療」も同じようなところがあると思いました。
医師が最適だと思った治療も、患者さんの生活スタイルにとっては最適ではないかもしれません。
病気によっては「これしか治療法がない」というようなものも存在しますが、技術の進歩に伴って、薬剤も増え、様々な選択肢がある場合も多くなりつつあります。
医師は常に研鑽を積み、いろいろな治療の選択肢を提供することによって、患者さんがもっとも満足するような診療を心がけていかなくてはならないですね。
それでは今後とも豊橋南藤井眼科クリニックをよろしくお願いします。
豊橋市の眼科クリニック
豊橋南藤井眼科クリニック
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花粉症の予防法
こんにちは、院長の藤井です。
今回は花粉症の初期療法について御説明したいと思います。
つい先日、東海地方の今年の花粉は前年の何と2倍になるであろうというニュースが流れました。
そして気になる飛散時期は2月中旬ぐらいと予想されています。
花粉症がある方はおわかりとは思いますが、ひとたび花粉症の症状が出てしまうと、目のかゆみ、涙、くしゃみ、鼻水など、非常につらい状態になってしまいます。
そんなとき、特に毎年決まった時期に花粉症の症状が出る人にオススメなのが「初期療法=予防法」です。
初期療法とは、花粉が飛び始める約2週間前から目薬(抗アレルギー薬)を点眼することで、症状が出てくるのを抑え、さらに症状が出たとしても軽い症状にする方法です。
たとえば当院では、初期療法として1日2回の抗アレルギー点眼薬を使用し、花粉症シーズンに入って少しかゆみが出るようなら1日4回の抗アレルギー点眼薬への変更をしま
す。
さらにそれでもかゆみが出る方は、ステロイド点眼薬、抗アレルギー薬の内服などを併用し、花粉症の時期を快適に乗り越えることができるように診療しています。
毎年の花粉症、今年は初期療法でつらい症状を回避しましょう!
豊橋市の眼科クリニック
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化学物質過敏症と眼瞼けいれん
こんにちは、院長の藤井です。
本日は眼瞼けいれんと化学物質過敏症との関係が臨床眼科12月号に書いてありましたので御紹介したいと思います。
眼瞼けいれんって御存知ですか?
軽いものですとまぶたの一部がピクピクするアレです。
1回くらいは経験された方もいるのではないでしょうか?
ほとんどの場合は疲れやストレスなどが原因で起こり、1ヶ月以内には自然に治ります。
ところが重症のものですと、片方の顔面全体に広がったり、目を開けることができなくなったりする場合があります。
そして、そこまで重症ではない場合、目がしょぼしょぼしたり、何となく目があけづらい、まぶしい、といった症状になることも多く、この病気の存在が知られていないときは、ドライアイと間違われることも多く、診断に苦慮していました。
現在は眼瞼けいれんの存在は眼科医の間でも広く知れ渡ることになり、テレビでも時々報道されますので、御存知の方もいらっしゃると思います。少し前にNHKの「ためしてガッテン」でも紹介されていましたね。
さて、本題ですが、この「眼瞼けいれん」は神経の異常が示唆されていますが、はっきりとした原因が特定できることはほとんどなく、対症療法的にボツリヌス注射でけいれんを止める治療を行います。
今回の記事は、この眼瞼けいれんの中に化学物質過敏症と関連ある場合が多かったというものです。
化学物質過敏症には、シンナー、ガソリン、防蟻剤などを扱う職種の方にみられる他、シックハウス症候群(新築住宅などの建材に含まれる薬剤が原因のアレルギー)などがあります。
もしこれらに関係する方で、目がショボショボする、目が開けにくい、まぶしい、などの症状をお持ちの方は眼瞼けいれんを疑って、眼科へ受診してくださいね。
豊橋市の眼科クリニック
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あけましておめでとうございます
あけましておめでとうございます。
院長の藤井です。
クリニック開院して2回目のお正月を迎えることになりました。
まだまだ当院の事を御存知ない方もいらっしゃるようですので、少しずつ皆様に知ってもらうように、よいクチコミをいただけるように、日々精進していきたいと思います。
5年後には豊橋中の方が当院の事を知っているようになってくれれば嬉しいですね笑
このブログではいろいろ新たな知見を御紹介していきますので、ぜひ御覧になってくださいね。
それでは今年もよろしくお願いします。
豊橋市の眼科クリニック
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年末です!
こんにちは、院長の藤井です。
今年も残りあとわずかになってしまいましたね。
最近少しは寒さが落ち着いたとはいえ、これからまた寒くなっていきますね。
思えば、昨年の今頃は、開院してまだ1ヶ月しか経っておらず、患者さんも少なく時間をもてあましていた記憶があります。
もちろん、今年に備えてスタッフ教育に力をそそいでいましたが…
ただ、おかげさまで今年の冬は、定期的に診察に来てくれる患者さんが多くなっています。
白内障手術を受けられる患者さんも増えてきました。
手術を受けるということは本当に信頼されていないとなかなかできないことですので、地域の皆様に受け入れられてきているのかなと大変うれしく思います。
さらに、テレビ番組のおかげでドライアイに関する認知も広まり、「ドライアイ研究会会員施設」である当院へ、ホームページを見たと言って来院される患者さんもいらっしゃいます。
(ドライアイは空気が乾燥する冬場に悪化しやすいです)
今後もそういった患者さんたちの期待に応えるべく、スタッフ一同精進して参ります。
当院の理念である「目に関するすべての問題を解決するだけでなく、安らぎと楽しさを提供することで、地域の皆さんに満足かつ笑顔になってもらうこと」とともに診療に励みたいと思います。
来年もまたよろしくお願い致します。
豊橋市の眼科クリニック
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オルソケラトロジーと近視進行予防
こんにちは、院長の藤井です。
「オルソケラトロジー」って御存知ですか?
「ナイトコンタクト」と言う場合もあります。
これは寝ている間に特殊なコンタクトレンズを装用することで、日中に視力を回復することができるという近視治療方法です。
レーシック手術ができないような小児や、手術が怖いという大人の方に適します。
ただ、下記の様なデメリットがあり、あまり普及していません。
・軽い近視にしか対応できないこと
・コンタクトをしないとまたすぐに元の近視にもどってしまうこと
・コンタクトレンズという「異物」を目に入れたまま寝ることから、感染症という合併症の危険性が常にあること
しかし、中国をはじめとしたアジアでは、学童の近視進行予防効果があるかもしれないという期待のもと、小児の方に積極的に行われています。
そして、今回我が国から以下のような論文が出されました。
「オルソケラトロジーの長期(5年)継続が学童期の眼軸長に及ぼす影響」
http://www.iovs.org/content/53/7/3913.short
オルソケラトロジーの29人と、通常どおりメガネで対応した30人を5年間に渡り比較した論文ですが、これによると近視進行を抑制できたと結論づけられています。
進行を完全に抑制できたわけではなくある程度は進んでしまっていること、および症例数が少ないことなどの問題点はありますが、5年という長期にわたって統計をとれたことは評価できると思います。
これまでは短期間のデータをもとにした論文しか出ていなかったこと、および感染症を発症すると視力低下の後遺症を残す可能性があることから、当院ではオルソケラトロジーに対して慎重な姿勢でしたが、今回のような論文が蓄積され、近視進行予防が明らかになってくれば、導入の検討も考えたいと思っています。
なお、現状では日本眼科学会のガイドラインにおいて、オルソケラトロジーの対象は20歳以上となっているため、小児の使用に対しては自己責任となります。御注意下さい。
早いもので前回のブログ更新から2週間たってしましたした。
年末は何かと忙しくあっという間にすぎていきますね。
しかし今年の締めくくりとして、いろいろなことをカイゼンし、来年さらによりよいクリニックにしていきます。
また、あらゆる情報を収集し、今後も様々知見を取り入れていきたいと思います。
よろしくお願いします。
豊橋市の眼科クリニック
豊橋南藤井眼科クリニック
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こどもの近視進行予防は可能?②
こんにちは、院長の藤井です。
今回は前回の続きです。
さてさて、近視を治す現実的な方法としては、今のところLASIK(レーシック)があります。
これは手技的にはほぼ確立されていますので、安全に近視を治すことができます。
ですので、LASIKを手がけるところがたくさんあるんですね。
(機器が非常に高額なので資本力があるところがほとんどですが)
もちろん変性近視や円錐角膜など、LASIKが不適になる場合もあるので、ちゃんと手術前の検査をした上で手術をすることが大事ですが。
(トラブルになるのは、ほとんどの場合、術前の詳しい説明をあまり聞かずに手術を受けたり、適応スレスレを無理に手術してしまった場合です。)
それに対して「近視進行予防」に対するちゃんとした効果のある方法は今のところない
、というのは前回お話ししたとおりです。
ところが、今後期待できる研究報告がいくつか出てきています。
①特殊非球面眼鏡(MyoVision)
これは周辺部網膜における後方へのデフォーカスを軽減する特殊レンズです。
まあ専門的すぎるので、結果として21−30%の抑制効果が報告されています。
②特殊コンタクトレンズ
これも細かい説明は省きますが、特殊なコンタクトレンズを装用することで、
34−49%もの抑制効果がみられたとの報告です。
いずれも今後症例数を増やしていき、さらなる研究が必要ですが、近い将来学問的裏付けのある、効果的な近視予防法が出てくるかもしれません。
私もド近眼ですので、非常に興味があります。
また最新情報がありましたら積極的に御紹介していきますね。
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