強度近視と目の病気
こんにちは、院長の藤井です。
毎日暑いですね。
それにともないメヤニを訴える患者さんが増えてきています。
中には「流行性角結膜炎(=はやり目)」という非常に移りやすい病気もあるため、早めに受診してくださいね。
さて、今回は日本眼科学会雑誌2013年4月号の巻頭言に「強度近視に伴う眼底疾患治療の進歩」が載っていましたので、これについて簡単にお話したいと思います。
ところで、「強度近視」というと皆さんはどんなイメージでしょうか?
たいていの方は、近視が強い、くらいではないでしょうか?
ところが、強度近視は非常に怖い、失明にもつながりかねない病気になりやすい状態なのです。
眼科学的には、軽度近視、中等度近視、強度近視、最強度近視に分類されます。
最強度近視になる視力も0.01くらいになってしまいます。
ただ、たとえ最強度近視だとしても、健康の状態であれば、メガネもしくはコンタクトで1.0まで視力がでます。
ところが近視が進みすぎると、網膜が薄くなり、視力が出なくなる状態(=変性近視、病的近視)になってしまいます。
最悪、失明する場合もあります。
これは決してまれではなく、我が国では失明患者さんの約13%の方が、変性近視による失明です。
また、病的近視まで近視が進行しなくても、近視の方は、緑内障、黄斑変性(近視性脈絡膜新生血管)、網膜分離症、黄斑円孔、網膜剥離などにかかる危険性が増します。
眼科の治療法は近年飛躍的に進歩しましたが、病的近視に対する治療法はまだ確立していません。
しかし、その他の病気に関しては治療法が確立しつつあります。
ただし、それもやはり早期に発見して治療しないと、回復することは非常に困難です。
特に40歳以上で病気にかかる確率が上がっていきます。
私も強度近視ですので、この分野には関心をもって勉強して参ります。
近視が強い方はぜひ定期検診を受けて下さいね
それでは今後とも豊橋南藤井眼科クリニックをよろしくお願いします。
豊橋市の眼科クリニック
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こんちは、院長の藤井です。
最近ブログ更新が滞っており申し訳ありません。
5月6月は眼科の繁忙期でとても忙しく過ごしています。
多忙なのはそれだけ多くの患者さんに御支持をいただけていることのあらわれですので、大変でもがんばり甲斐があります。
スピーディーで的確な診療を心がけ、忙しさにかまけて診察説明が粗雑にならないように診療技術に磨きをかけていきます。
時間をぬって各種最新眼科雑誌に目を通してブログのネタは仕入れていますのでまた落ち着いたら御紹介しますね。
それでは今後とも豊橋南藤井眼科クリニックをよろしくお願いします。
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すべての人の顔が同じに見える?
こんにちは、院長の藤井です。
今回はophthalmology update 2012年総集編という小雑誌から、
「すべての人の顔が同じに見える症例」
という報告について紹介いたします。
すべての人の顔が同じに見える、というと幻覚みたいに精神病か何か??と思ってしまいますが、今回は生来視力も健康も良好だった人に生じたエピソードです。
58歳の女性の方が、ある朝ある人と話をした後に、飛行機に乗ったのですが、座席に座って待っていると、あとから乗ってくる人のすべての顔が、その朝話した人の顔にみえてしまう状態になってしまったのです!
慌てて近くの眼科に行っても、目には異常はないと言われてしまいました。
さてさてこの方の身に何が起こってしまったのでしょうか??
結論から言うと、脳の後頭葉と言う部分の出血、そう、脳出血だったのです!
脳外科に緊急入院になったそうです。
今回の症状は「視覚保持」という症状です。
これは、一度見たものが繰り返し出現、または持続してみえる症状のことをいいます。
脳出血の他にもいわゆる精神病などでもみられます。
脳出血や脳梗塞などの大脳病変では視野欠損(部分的に見えなくなること)が有名ですが、このように「間違った視覚像」がみえる場合もまれにあるんですね。
今回のケースでは眼科では異常をみつけることはできませんでしたが、視野検査をすれば脳病変にきづくことができ、速やかに脳外科へ紹介することができたかもしれません。
非常に勉強になった報告でした。
これからも幅広い知識を身につけていきたいと思います。
今後とも「豊橋南藤井眼科クリニック」をよろしくお願いします。
豊橋市の眼科クリニック
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待ち時間について②
こんにちは、院長の藤井です。
今週はゴールデンウィーク(GW)ですね。
みなさんはいかがお過ごしでしょうか?
当院は今年は暦どおりの診察を行っており、今日は仕事です。
GW後半戦を楽しみにがんばりたいと思います!
さてさて、今回は前回の続きです。
予約制について考えてみたいと思います。
診察の予約制のメリットといえばやはり待ち時間を少なくすることができる点にあると思います。
そのため忙しい現代社会、共働きも増えた世の中では特に便利ですね。
また、インターネットで予約をとることも一部では可能になり、夜など空いた時間に予約することができるなど、ますます便利になってきています。
医療関係では歯科さんでは多くが予約制を導入しています。
ですがこの予約制がきちんと機能しないと、逆に不満が出てきてしまいます。
たとえば、緊急の患者さんが多く、予約時間どおりに診察できなかった場合は、予約制じゃない場合よりもずっと不満が募ります。
また人気クリニックに多いのですが、予約したいのに予約一杯で予約できない、という場合もあります。
たとえば、私事ですが、以前歯が痛くなったときにすぐ診てもらいたかったのに、予約が一杯で一週間先になったことがありました。
というわけで、この「予約制」がちゃんと機能するには以下の条件があると思います。
①予約枠(時間)に余裕をもたせること
②急性疾患の患者さんに対応できること
さて、そう考えてみると、予約制は病院および急性疾患の少ない科目(精神科)の診療所に向いた制度であり、一般の診療所(クリニック)には向かないと考えます。
病院の外来は本来クリニックからの紹介を受けて診療する二次医療施設であり、医師も多くいるため、予約枠に余裕を持って設定することができます。
(近年は医療崩壊もあり、必ずしも余裕がないのが現状ですが…)
また、救急部が別にあり、予約外の緊急患者さんを別で診ることもできます。
その反面、一般クリニックでは、医師は1人、多くても2人の場合がほとんどで、人員に余裕がありません。
また、一次医療(プライマリケア)を手がけるため、急性期の患者さんがたくさんいらっしゃいます。
例えば眼科ではメヤニが出た、目が痛い、目を打ったなどなど、白内障、緑内障、糖尿病性網膜症など慢性疾患の患者さん以外は、多くが急性期の患者さんです。
そのため、多くのクリニックではなかなかスムーズに予約制に移行できないのが現状です。
当院はまだ開院1年半と、発展途上のクリニックですので、待ち時間もそこまで長くはありません(時期的に混雑はありますが)。
しかし今後待ち時間が長くなる可能性も十分あります。
そこで、予約制やセミ予約制(一部の時間帯のみ予約制)、順番制だけどインターネットで順番が取れるシステム、などいろいろ先進的に取り組んでいるクリニックさんを研究しながら、待ち時間対策を考えていきたいと思っています。
今後とも豊橋南藤井眼科クリニックをよろしくお願いします。
豊橋市の眼科クリニック
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待ち時間について①
こんにちは、院長の藤井です。
暦は4月、新年度ですね!
新入学、新入社を迎えた方々はもちろん、その御家族の方も慌ただしい毎日を過ごされているのではないでしょうか。
いろいろと大変な事も多いでしょうが、新しい船出を応援していきたいですね!
さて、豊橋市内の小学校や中学校では今月末くらいから眼科検診が始まります。
これは視力検査や眼科的検査をすることで目の異常をいち早くみつけるための検査です。
特に小学生のお子さんは、あまり見えていなくてもよっぽど見にくくならない限りは自ら訴えることは少ないため、異常の発見が遅れてしまいます。
そののため、視力検査等で異常のみつかったお子さんは眼科へ受診していただくことになります(二次検診)。
二次検診は5月〜6月くらいに集中します。
お子さんの視力検査は成人の方に比べやや時間がかかり、また、近視がみつかった場合、メガネ処方箋を発行することになるため、さらに時間がかかります。
そうすると全体の待ち時間が延びてしまいます。
当院は検査や会計、投薬(院内処方)を効率化することによって、これまでできる限り待ち時間の短縮に努めて参りました。
その甲斐あって、初診の方が集中した場合や緊急の処置がある場合を除いて、1時間以内には会計がすむようになっています。
(当院の方針として、初診の方はじっくり話を聞いて、診断後説明をちゃんとしますので、初診時はどうしても時間がかかります)
ただし前述のように5−6月の平日午後、および土曜日は大変混み合い、1時間以上お待たせすることも多々あります。
可能な方は、平日午前中に御来院いただくようによろしくお願いします。
それでは、次回は「予約制」の是非について、これまでの経験を踏まえてお話したいと思います。
今後とも豊橋南藤井眼科クリニックをよろしくお願いします。
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眼球の中にまつ毛が…
こんにちは、院長の藤井です。
今回は雑誌「あたらしい眼科」の症例報告から、
「眼科手術時に発見された前房内睫毛迷入の1例」
について御紹介します。
みなさんは逆まつ毛で目が痛くなったことはありますか?
コロコロするだけならまだしも、痛くて涙が出て、目をこすってやっととれたという経験をしたことが一度はあるのではないでしょうか?
ところが、あまり強く目をこすると危険かもしれません。
実はまつ毛は0.1ミリにも満たない太さなのですが、しっかりした硬さがあるものもあり、目にささることがあるんですね。
場合によっては、白目にささって白目の下に入り込んでしてしまうこともあります。
完全に下にいってしまった場合は、白目を切って取り出すしかありません。
今回の報告は、さらにまつげが本当に「目の中」に入ってしまった症例です。
目の中は無菌ですので、それを保つために白目よりも強固な角膜や強膜で守られているのですが、それも突き抜けて目の中に入ってしまったというのです。
これは非常にまれだとは思いますが、こんなこともあるんですね。
みなさんも目に逆まつ毛やゴミがはいったときは、決して強くこすることはしないで、水や目薬で洗い流して下さい。
それでもとれない場合はお近くの眼科に受診してくださいね。
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円錐角膜の最新の治療方法
こんにちは、院長の藤井です。
今回は日本眼科手術学会会誌「眼科手術」最新号から、円錐角膜の最新の治療方法について御紹介します。
「円錐角膜」とは、特殊な乱視の病気です。
みなさんの中にも乱視の方はいらっしゃると思いますが、近視と異なり乱視は基本的にあまり進行しません。
ところがこの円錐角膜という病気は、角膜(黒目の部分です)が前方に突出し薄くなり、乱視がどんどん進んでしまうのです。
30代くらいになると進行が停止しますが、停止するまでの間に乱視が強くなりすぎてメガネやコンタクトでも矯正できなくなって視力が低下してしまったり、場合によっては角膜移植が必要になるほど見えなくなる方もいます。
さて、そこで最新の治療法ですが、
①クロスリンキング
これは、角膜にビタミンB2の特殊な溶液を浸けてそこに紫外線を照射することで、角膜に化学反応を生じさせて、剛性を上げる(=角膜が歪まないように硬くする)方法です。
②角膜内リング
これは、角膜内に特殊なリングを挿入することで、角膜が歪まないようにする方法です。
これまではリングをいれる穴を作るのが難しかったですが、フェムトセカンドレーザーという最新のレーザーを使用することで、比較的容易に手術を行うことができるようになりました。
どちらも、視力が大幅に低下する前に施行が可能で、角膜移植に比べてもはるかにダメージが少ない方法です。
特にクロスリンキングは、最新の報告で円錐角膜の進行を抑制することがほぼ確実のようで、かつダメージも少ないため、初期の円錐角膜に対するよい治療法になるのでは、と思います。
これまでは初期の治療といえばハードコンタクトレンズしかなく、痛みでコンタクトが装用できない患者さんは、何もできず進行が停止するのを見守るしかなかったですから。
ただ、現在どちらも保険適応がないため、施行できる施設が限られてしまうのが非常に残念です…(当院では名古屋の専門施設へ紹介させていただいております)。
若い方で乱視がよく進むなあ、メガネがあわなくなるのが早いなあ、という方は、円錐角膜の可能性がありますので、早めに眼科に受診してくださいね。
豊橋市の眼科クリニック
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